コンプライアンス・コンサルティング

コンプライアンス・コンサルティング(consulting・compliance)

企業にとって、法律を守ること、つまり、コンプライアンスを徹底することは最低条件です。ところが、現実には、それが徹底されていない会社が多いのです。
東芝のように粉飾決算を重ねていくと、いつかはそれが露見し、金融商品取引法の有価証券虚偽記載に問われることになります。
こうした事態に陥ると、会社として巨額の損害賠償を負わされ、代表取締役以下の経営陣は株主代表訴訟の対象となってきます。

経営陣は、刑事責任を追及されることにもなりかねません。
同じような粉飾決算事件は、オリンパスでも鐘紡でもありました。粉飾決算を主導した経営者は、刑事罰を受け、民事では巨額の損害賠償請求をされたのです。
また、価格カルテルを結んだ会社が、海外市場で独占禁止法違反に問われ、巨額の罰金を支払わされるケースも多々あります。ワイヤーハーネスの矢崎総業は400億円近い罰金をアメリカ政府に支払いました。このケースでは、幹部4名がアメリカの刑務所へ服役することになりました。
このように、コンプライアンス違反は企業の命運、そこにいる経営者や社員の人生を左右する出来事となります。

ところが、多くの企業の中では、自分のやっている仕事がどのような法律によって規制されているのか(特に海外の法律については知識が十分ではありません)、何がどこまで許されるのかが、明確に認識されていません。

例えば、営業活動を例にとってみると、以下のように多数の法規制に関わる問題が存在しています。

・海外で商品を販売するために営業活動を行っていたところ、政府の高官から、高額な商品を贈ってほしいと言われた。どのように対応したらいいのか。
・業界団体の会合で、普段から会っている競合会社の役員と価格動向について話をした。個別の取引について価格の談合をしたわけではないが、問題がないだろうか。
・中東の紛争地域の国から民生用ではあるが、軍事用にも転用可能な高度電子機器の引き合いが来た。値段では折り合えそうだが、輸出しても大丈夫か。
・海外である会社を買収すると市場シェアが高まり独占的な地位を得ることができる。このような買収は許されるのか。
・海外の公正取引委員会から価格カルテルをしていないかという問い合わせを受けた。当社が最初に尋ねられたようだが、どのように対応したらいいのか。リニエンシー制度(談合、カルテルなどの不正に関わった企業であっても、公
正取引委員会の調査開始前、場合によっては調査開始後でも、不正を自己申告すれば、課徴金の減免あるいは刑事告発の免除がなされる制度)を利用したいが、どのような手続きを踏めばいいのか。
・今月は採算が厳しいので、下請会社に対して、あらかじめ合意していた価格からの値引きを要求したい。相手は零細業者であるが、これを進めても大丈夫か。
・3日前にネット販売で商品を販売した消費者からその商品を返品したいというクレームが舞い込んだ。返品を受け入れなければならないのか。
・外貨建て保険商品を販売したが、消費者から、商品内容が営業マンから説明を受けていたものと違うので解約したいという話が飛び込んできた。どのように対応したらいいのか。

以上見てきたように、企業の活動は多数の法規制に服しています。ところが、企業の現場の社員は、それを明確に意識しているわけではありません。
「何かおかしいが、まあ大丈夫だろう」と思ってやってしまうと、それが重大な違法行為になることもありうるのです。現代の企業は、社内にコンプライアンス意識を徹底し、こうした違法行為が行われないような体制を整備していくことが必要です。