ガバナンス・コンサルティング

ガバナンス・コンサルティング(consulting・governance)

企業統治、コーポレート・ガバナンスとは、企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組みのことを言います。
企業価値の向上、つまり、株主への価値の還元が目的となっています。
日本の会社の多くは、取締役会設置会社と言って、多数の取締役からなる取締役会で、経営の意思決定を行っていく仕組みを取っています。

しかし、本来の会社法の考え方は、株主が取締役を選ぶ、その取締役で構成される取締役会が、株主の代わりに、代表取締役社長の行為を監視していくことになっています。
つまり、取締役は、株主の総意を受けて、代表取締役社長を取り締まる側の立場にあるのです。

ところが、日本のほとんどの会社では、取締役は代表取締役社長に取り立ててもらい、その地位についているので、とても代表取締役を監視することなどできません。その上、取締役は、日常の業務執行を担わされているので、取り締まる立場ではなく、代表取締役社長から取り締まられる側の立場にあるものと誤解されています。
つまり、日本の会社の仕組みは、会社法の精神とは正反対の形で運営されています。その結果として、会社は株主のものではなく、代表取締役社長のもの。その代表取締役社長が、不祥事を隠したり、粉飾決算を隠蔽しようとすれば、社内で反対する者は誰もいません。そして、会社全体が不正行為を隠蔽する方向で突っ走ることになります。つまり、不祥事は是正されないどころか助長され、株主不在、ガバナンス不在となるのです。

こうした事態を避けるために、会社法改正で、アメリカ型の委員会設置会社という制度も設けられました。しかし、こうした形態をとっても、それを運営する人の頭の中は変わりませんでした。やはり、会社は株主のものではなくて、代表取締役社長のものという考え方が残っています。だから、代表取締役社長から指示を受ければ、不祥事を隠蔽したり、粉飾決算に走ることになってしまいます。
その証拠に、東芝は委員会設置会社でしたが、会社のトップが粉飾決算を主導すると、委員会も取締役もそれにストップをかけることはできませんでした。
こうした例から学べることは、結局社内人材過半数で構成される取締役会や委員会では、とても代表取締役に対してけん制機能を働かせることはできないということです。
けん制機能を利かしたいのなら、株主に選ばれ、株主の利益を代表する社外取締役を多数受け入れ、しがらみのない彼らの目で代表取締役の行為を監視させないとガバナンスが働かないということです。

以上、会社の経営構造について述べてきましたが、これを組織の末端まで徹底していくことが必要となります。代表取締役社長を監視する取締役に、現場の悪い情報が上がるような仕組みを作る。
不正や不祥事を起こさないように社員相互のチェック体制を作る。そして、何よりも重要なのは、社員一人一人の意識を改革し、頭の中を入れ替えるということです。
トップが企業統治を理解しても、それが組織の末端まで徹底されない限り、企業統治は絵にかいた餅に終わってしまうのです。
組織、報酬体系、人事制度、企業文化等々、多面的観点から見直しを行い、効果的なガバナンス体制を構築していく必要があるのです。